勤怠×給与システムの連携で「残業時間」を自動反映|転記ミスと差し戻しを削減
月末になると、勤怠システムからデータを出力して、給与計算システムに手で入力し直す。残業時間の集計が合わなければ差し戻し、修正して再提出——この繰り返しは、勤怠管理システムと給与計算システムがつながっていないことが原因になりがちです。
この記事では、勤怠管理システムと給与計算システムを連携し、「勤怠を締めたら自動で給与計算に反映される」状態をどう作るかを、iPaaS(複数SaaS/システム間のデータ連携を自動化する仕組み)の一種であるJOINTの活用を例に整理します。

目次
こんな手間がかかっていませんか?
勤怠管理と給与計算は、業務としては一続きです。にもかかわらず、システムが別々のままだと「人が橋渡しをする」工程が残り、月末月初に負荷が集中します。
典型的なのが、勤怠担当が勤怠システムからCSVをダウンロードし、Excelで加工し、給与担当がそれを見ながら給与システムへ手入力する流れです。締め日に間に合うように急いで処理するほど、入力ミスや計算対象の取り違えが起きやすくなります。例えば、残業時間の端数処理(分→時間の丸め)をExcel側でやったつもりが給与側の設定とズレていて、翌月の監査や従業員問い合わせで発覚する、といったケースです。
また、勤怠データの確定(いわゆる「勤怠締め」=当月の勤怠を確定させ、以後の変更を原則止める運用)と給与計算の開始タイミングがずれると、差し戻しが常態化します。勤怠側で遅れて修正が入るたびに、給与側は再取込・再計算・明細再発行になり、担当者の残業が増える。結果として「締め切りに間に合わせるために例外処理が増える」という悪循環が起きます。
情シス視点でも課題は残ります。Excelを介した受け渡しは、手順が属人化しやすく、退職・異動で途切れます。さらに、誰がいつどのファイルを加工したかの監査証跡(追跡可能な記録)が残りづらい。個人情報を含むデータをメール添付や共有フォルダで回す運用は、アクセス権限の棚卸や情報漏えい対策の観点でも気がかりです。
JOINTで連携するとこう変わる
JOINTは、異なる業務システム同士をつなぎ、データの受け渡しを自動化するiPaaSです。API連携(システムが提供する接続口を使う方法)やファイル連携(CSVなどを安全に受け渡す方法)を組み合わせ、現場が求める「手作業の転記」を減らす設計がしやすいのが特長です。
ビフォー:月末に人が勤怠データを運んでいる
連携がない状態では、データがシステム内に存在していても、最後は人が運びます。結果として、次のようなムダが積み上がります。
まず、出力と加工です。勤怠システムから出すCSVの項目名や並びは、給与システムが求める形式と一致しないことが多く、Excelでの列追加・並べ替え・コード変換が必要になります。次に、入力とチェックです。給与担当が手入力する場合はもちろん、CSV取込であっても、取込エラーの原因究明や「誰のどの項目がズレたか」の突き合わせが発生します。
そして最も痛いのが、差し戻しと再計算です。勤怠修正が入るたびに、給与側で再取込し、計算結果を見て影響範囲を確認し、場合によっては明細の再出力や振込データの作り直しまで発生します。締め日前後の数日が、常に火消し対応になる企業も珍しくありません。
アフター:勤怠締めをトリガーに給与データが流れ、計算完了までが近づく
JOINTで勤怠管理システムと給与計算システムを連携すると、業務のつながり方が変わります。ポイントは「勤怠締め」を合図(トリガー)に、必要なデータが自動で給与側へ渡ることです。トリガーとは、特定のイベントをきっかけに処理を起動する仕組みを指します。
例えば、勤怠が締まった従業員の「所定労働時間」「残業時間」「深夜時間」「休日労働時間」「遅刻・早退・欠勤」などを、給与計算に必要な単位に整形して連携します。手入力や手加工を前提にしないため、転記ミスが減り、差し戻しも起きにくくなります。給与担当は、入力作業から解放されるだけでなく、確認の焦点を「数字を打ち直したか」から「例外(エラーや未承認)」へ移せます。
なお、連携は万能ではありません。給与計算には「通勤手当」「住民税」「社保・雇用保険」「各種控除」「手当の個別例外」など、勤怠以外の情報も多く関わります。だからこそ、まずは勤怠由来の変動項目(残業・深夜・休日など)を正確に渡し、差し戻しの主要因を潰すところから始めるのが現実的です。
具体的な利用シーン
シーン1:拠点が多い小売・サービス業(シフト制)
店舗や拠点が多い業態では、シフト変更や打刻漏れの修正が月末まで発生しがちです。さらに、店長承認の遅れがあると、勤怠締めが部門ごとにズレます。ここで連携がないと、給与担当は「締まった店舗分から順に入力→最後に全社で突合」という二度手間になりやすいです。
JOINTで「承認済みかつ締め済み」の勤怠データだけを給与へ流すようにすれば、締めていない拠点を無理に取り込まずに済み、計算のやり直しが減ります。例外は例外として可視化し、リードタイムの見通しを立てやすくなります。
シーン2:製造業・建設業(時間外・休日・深夜が多い)
繁忙期のある現場では、残業・休日出勤・深夜が複雑に組み合わさり、手入力のミスがそのまま支給額の誤りにつながります。特に「割増区分」の扱いは、勤怠側と給与側の定義ズレが起きやすい領域です。
連携で区分を揃え、勤怠側で確定した時間数をそのまま給与計算へ渡す設計にすると、計算の前提が安定します。給与担当は、時間数の入力ではなく、割増率や就業規則に沿った設定の確認に集中でき、監査対応もしやすくなります。
シーン3:100〜500名規模の本社管理部門(情シスが少人数)
中小〜中堅企業では、情シスが1〜2名で運用を見ていることも多く、毎月の「人力連携」は最も避けたい負債です。にもかかわらず、勤怠・給与の入替や統廃合が続くと、Excel手順だけが増殖し、何が正なのか分からなくなります。
JOINTのようなiPaaSで連携を一本化しておくと、システム変更時の影響範囲を「この連携フロー」として把握しやすくなります。加えて、権限(誰が連携設定を触れるか)やログ(いつ動いたか、失敗したか)を運用設計に組み込み、少人数でも回る形に寄せられます。
製品例紹介(勤怠・給与)
勤怠と給与は、企業ごとに採用製品が異なります。重要なのは「特定の組み合わせに依存せず、要件に合わせてつなげる」選択肢を持つことです。ここでは著名な例を、勤怠側・給与側で分けて紹介します(執筆時点の一般的な位置づけであり、最新仕様は各社公式情報をご確認ください)。
勤怠管理システム
■KING OF TIME
クラウド勤怠の代表的なサービスの一つで、打刻・申請承認・シフト・集計まで幅広く対応します。拠点が多い企業でも運用しやすい設計が特徴です。
JOINTと連携させると、確定した勤怠集計結果を給与側へ自動連携し、月末のCSV加工と再入力を減らせます。
■ジョブカン勤怠管理
打刻から休暇管理、承認フローまで揃ったクラウド勤怠です。周辺のジョブカンシリーズと組み合わせて使われることも多く、成長企業で採用されやすい傾向があります。
JOINT連携により、締め済みデータだけを抽出して給与へ渡すなど、運用ルールに合わせた連携を作りやすくなります。
■freee人事労務
労務手続きや従業員情報管理と合わせて、勤怠を一体的に扱えるクラウドです。入社・退社、申請フローと勤怠が連動する運用に向きます。
JOINTと組み合わせれば、勤怠由来の変動項目を他社給与システムへ渡すなど、周辺システムを含む全体最適を検討できます。
給与計算システム
■マネーフォワード クラウド給与
クラウドで給与計算・明細発行を行えるサービスで、会計や経費など同社サービス群と併用されるケースが多いです。
JOINT連携により、勤怠の確定値を自動取り込みし、給与担当が確認すべき「例外」へ集中できる状態を作れます。
■給与奉行クラウド
奉行シリーズとして知られる給与計算のクラウド版で、規程に沿った給与計算や帳票出力など、実務要件に対応しやすいのが強みです。
JOINTで勤怠データを所定の形式に整形して渡すことで、手作業の変換・転記を減らし、締め処理の安定化につながります。
■freee人事労務(給与計算機能を含む)
給与計算から年末調整、労務手続きまで一気通貫で運用しやすいクラウドです。人事データを軸に業務をまとめたい企業で選ばれます。
JOINTと連携すると、他社勤怠システムの集計値を取り込むなど、既存環境を活かしながら移行・共存を進めやすくなります。
まとめ:残業時間の自動反映は「月末業務」を構造から変える
勤怠管理システムと給与計算システムが連携していないと、月末にデータ加工・転記・突合が集中し、ミスと差し戻しが発生しやすくなります。JOINTのようなiPaaSを使って、勤怠締めをトリガーに給与へデータを流す設計にすると、入力作業を減らすだけでなく、確認の質を「例外管理」へ引き上げられます。情シスにとっても、属人化したExcel手順を連携フローとして標準化し、ログや権限、監視を含む運用設計に落とし込める点がメリットです。
まずは「残業・深夜・休日」など勤怠由来の変動項目から自動連携し、差し戻しの主要因を潰すところから試すのが現実的と言えるでしょう。
おわりに:JOINTで実現する「勤怠×給与」連携
ストラテジットでは、JOINTを用いた勤怠×給与連携について、要件が曖昧な段階から相談できます。たとえば、次のような内容を一緒に整理可能です。
- どこから自動化すべきか(優先順位の整理)
- 既存システムとのつなぎ方
- 小さく始めて段階的に広げる進め方
- セキュリティや運用面の不安の解消
私たちは「AIとSaaSのチカラを、すべての企業に。」をミッションに、企業様の連携を支えるべく、連携プラットフォーム『JOINT』シリーズを展開しています。
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