勤怠×プロジェクト管理連携で「工数実績」を自動反映|手入力・転記ミスを減らす

月末になると、勤怠システムから工数データを出力して、プロジェクト管理ツールに手入力し直す。入力が遅れると原価が見えず、気づいたら赤字になっていた——この繰り返しは、勤怠管理システムとプロジェクト管理ツールがつながっていないことが原因になりがちです。

この記事では、勤怠管理システムとプロジェクト管理ツールを連携し、「勤怠データが更新されたら自動で工数実績がプロジェクトに反映される」状態をどう作るかを、iPaaS(複数SaaS/システム間のデータ連携を自動化する仕組み)の一種であるJOINTの活用を例に整理します。

こんな手間がかかっていませんか?

受託開発や制作、コンサルの現場では、メンバーがどの案件にどれだけ時間を使ったか(工数=作業にかかった時間)を把握できるかどうかで、原価管理(案件のコストを把握し、利益を守る管理)の精度が大きく変わります。ところが、勤怠管理システムとプロジェクト管理ツールが別々のままだと、工数実績が「どこにも自動で集まらない」状態になりがちです。

たとえば月末。管理部門が勤怠システムからCSVを出して、案件名に合わせて整形し、PMがBacklogやAsana、Jiraなどのプロジェクト管理ツールへ転記する。あるいはPMが勤怠の画面を横に置いて、各メンバーの申請内容を見ながら「この日2時間はA案件、残りはB案件…」と手入力していく。締めが近づくほど焦り、入力が後ろ倒しになれば、当月の原価が見えません。

この運用で起きる“リアルな困りごと”は、単なる入力工数だけではありません。案件名の表記ゆれや、プロジェクトコードの打ち間違いで、実績が別案件に入る。集計が終わるまでPMが原価の見通しを持てず、追加要員の判断が遅れる。経営側も「今月どの案件が危ないのか」を掴めず、結果として赤字を翌月に持ち越してから気づく——。こうした遅延とミスが、現場の疲弊と利益の取りこぼしにつながります。

さらに厄介なのは、工数データが“人の手で運ばれる”限り、ルールの徹底が難しいことです。繁忙期ほど入力が後回しになり、差し戻しが増え、締め日直前に修正が集中する。最終的には「今月も数字が確からしくないが、締めるしかない」という状態になり、次月の改善にもつながりません。

JOINTで連携するとこう変わる

JOINTは、ストラテジットが提供するiPaaS系のシステム連携ツールです。iPaaSは、API連携やファイル連携などを使って、SaaS同士のデータ受け渡しを自動化する仕組みを指します。ここでは技術の話に深く入りませんが、ポイントは「勤怠に登録された実績が、決めたルールでプロジェクト管理側へ流れる」状態を作れることです。

ビフォー:工数実績を人が手で運んでプロジェクトに入力している

ビフォーの状態では、工数実績が勤怠システムに閉じ、プロジェクト管理ツールには別途入力が必要です。手入力・転記・CSV整形の時間が発生し、締め日のたびに“工数集計の担当者”が必要になります。集計ロジックも属人化しやすく、「あの担当者が休むと締められない」「毎月どこかで数字が合わない」といった運用リスクも残ります。

また、プロジェクト管理ツール側に入るのが月末だけになり、PMが日中に見ているダッシュボードや進捗画面が“実績抜き”の状態になります。予定(見積)と実績の差分が見えないため、手遅れになってから残業や増員で埋め合わせる、という意思決定になりがちです。

アフター:勤怠データをトリガーに工数実績が自動反映され、原価把握までが近づく

アフターでは、勤怠側で工数(案件別の作業時間)が確定・更新されたタイミングをきっかけに、プロジェクト管理ツールへ実績が自動で反映されるようになります。締め日にまとめて“移し替える”作業が減り、日々の入力は勤怠側に集約しやすくなります。結果として、PMはプロジェクト管理ツール上で実績を前提に判断でき、管理部門は集計作業よりも「数字の意味づけ」や「改善アクション」に時間を使えるようになります。

もちろん、連携しただけで原価管理が完成するわけではありません。案件コードの付け方、工数の粒度(案件単位か、工程単位か)、締めのタイミングといったルール設計は必要です。ただ、データの運搬を自動化できると、ルール運用の定着や改善サイクルが回りやすくなります。

具体的な利用シーン

ここからは、勤怠×プロジェクト管理連携が刺さりやすい典型パターンを、実名を避けた一般例として紹介します。自社の状況に近いものから、検討の糸口にしてください。

シーン1:受託開発・制作で案件ごとの原価管理が追いつかない

受託開発・制作会社では、案件ごとに見積の工数枠があり、超過すると利益が削れます。しかし現実には、要件変更やコミュニケーションコストが積み上がり、気づけば工数が膨らみます。月末にまとめて実績を集計していると、赤字の兆候に気づくのが遅れます。

JOINTで勤怠の工数実績をプロジェクト管理ツールへ自動反映できれば、少なくとも「実績が見えない」状態は減らせます。PMは週次の定例で、予定対比の実績を見ながら、スコープ調整や追加見積の相談を早めに打てます。管理部門も、案件別の労務費(人件費)配賦の精度を上げやすくなり、利益の説明責任を果たしやすくなります。

シーン2:複数プロジェクト掛け持ちが多く、工数把握が難しい

コンサルや制作の現場では、1人が複数案件を並行することが珍しくありません。このとき問題になるのが、工数が“主観の記憶”で入力され、案件間の配分がぶれることです。さらに、プロジェクト管理ツール側には工数が入っていないため、PMは「忙しそう」以上の判断材料を持てません。

勤怠側で案件(または工程)を選んで時間を登録し、そのデータが自動でプロジェクト管理ツールに反映されると、負荷状況が見える化します。特に、メンバーの工数が特定案件に偏り始めたときに早く気づけるため、アサイン調整の会話が前倒しになります。結果として、残業の常態化や、品質事故(レビュー不足など)の芽を早めに摘みやすくなります。

シーン3:工数実績と請求・売上の整合が取れず、月次が遅れる

月次の締めが遅れる企業でよくあるのが、「請求は出したが、工数実績が揃わず原価が確定しない」「工数の付け替えが後から出てきて数字が動く」という状態です。結果として、経営会議に出す数字が暫定になり、現場も管理部門も“翌月に持ち越す作業”が増えます。

勤怠→プロジェクト管理へ実績が自動反映されると、実績の集計が早まり、月次の前倒しに効いてきます。もちろん請求・売上は会計や販売管理の領域ですが、少なくとも工数実績が早く揃えば、案件別の粗利(売上−原価)の見通しが立てやすくなります。数字の確度が上がることで、追加発注や外注の判断も、勘ではなく根拠に寄せられます。

なお、連携を進める際は「どの時点の勤怠を確定値とみなすか(締め後のみ反映するのか、日次で反映して後から修正も流すのか)」を最初に決めるのが現実的です。ここが曖昧だと、現場が見ている数字と月次確定値が食い違い、かえって混乱します。要件が固まっていない段階でも、JOINTのようなiPaaSでどこまで自動化できるか、PoC(小さく試して効果と課題を確認する検証)から相談するのが安全です。

製品例紹介(勤怠管理・プロジェクト管理)

ここでは、勤怠管理システムとプロジェクト管理ツールの代表例を挙げます。重要なのは「特定の組み合わせに固定されない」ことです。現場都合でツールがすでに決まっている企業でも、iPaaSで“間をつなぐ”ことで選択肢が広がります(実際の対応可否は各製品のAPI仕様や契約プラン等で変わるため、検討時に確認が必要です)。

勤怠管理システム

■KING OF TIME
打刻から勤怠集計までをクラウドで行える勤怠管理サービスで、利用企業も多い代表的な選択肢です。勤務形態のバリエーションに対応しやすく、現場の入力を集約しやすいのが特徴です。
JOINTと連携させると、勤怠側に集まった工数・勤務データを起点に、プロジェクト側へ実績反映を自動化しやすくなります。

■ジョブカン勤怠管理
打刻、シフト、休暇など勤怠運用を一通りカバーし、導入スピードを重視する企業にも採用されやすいサービスです。シリーズで周辺領域も揃えやすい点が魅力です。
JOINTでデータ連携を組むことで、締め処理後の実績をプロジェクト管理へ流し、月次の集計作業を軽くできます。

■freee人事労務
勤怠・労務手続きを含むバックオフィス業務の効率化を狙えるクラウドサービスです。人事労務データと勤怠情報を一体で扱えるため、管理部門の負荷を下げやすい選択肢です。
JOINTと連携させると、勤怠起点の工数実績をプロジェクト管理へ反映し、原価把握のタイムラグを縮める助けになります。

プロジェクト管理ツール

■Backlog
課題管理・Wiki・Gitなどをまとめて扱えるプロジェクト管理ツールで、開発だけでなく制作や社内タスクにも使われます。非エンジニアにも比較的なじみやすいUIが特徴です。
JOINTで工数実績が自動で入ると、進捗と実績の見比べがしやすくなり、案件レビューの質が上がります。

■Asana
プロジェクトやタスクを柔軟に設計でき、部署横断の業務整理にも使われるワークマネジメントツールです。テンプレートや可視化機能を活かし、運用を標準化しやすい面があります。
JOINT連携により、勤怠側で確定した実績をAsana側へ寄せることで、報告用の二重入力を減らせます。

■Jira
ソフトウェア開発を中心に、ワークフローや課題の状態管理を細かく設計できるプロジェクト管理ツールです。開発プロセスを標準化したい組織で採用されやすい一方、入力ルールが複雑になりがちです。
JOINTで勤怠実績を自動反映できれば、手入力のばらつきを抑えつつ、実績に基づく原価・進捗判断に寄せられます。

まとめ

勤怠管理システムとプロジェクト管理ツールがつながっていないと、工数実績の入力・転記・突合に時間が取られ、原価管理の遅れやミスにつながります。JOINTのようなiPaaSを使って「勤怠データの更新をきっかけに、プロジェクト側へ工数実績を自動反映する」流れを作ると、締め作業の負担を減らしつつ、PMの意思決定を前倒しできます。

工数管理は「現場の事務作業」に見えて、実は「経営の判断精度」に直結します。実績が見えないまま案件が進めば、赤字に気づくのは終わってから。工数実績がリアルタイムに近い形で揃うことで、案件別の粗利が早く見え、次の受注判断や体制づくりにも活かせます。勤怠とプロジェクト管理をJOINTでつなぐことは、現場の手間を減らしながら、経営が数字で動ける組織に近づく一歩です。まずは月次の集計フローを見直すところから、試してみてはいかがでしょうか。

おわりに:JOINTで実現する「勤怠×プロジェクト管理」連携

ストラテジットでは、JOINTを用いた勤怠×プロジェクト管理について、要件が曖昧な段階から相談できます。たとえば、次のような内容を一緒に整理可能です。

  • どこから自動化すべきか(優先順位の整理)
  • 既存システムとのつなぎ方
  • 小さく始めて段階的に広げる進め方
  • セキュリティや運用面の不安の解消

私たちは「AIとSaaSのチカラを、すべての企業に。」をミッションに、企業様の連携を支えるべく、連携プラットフォーム『JOINT』シリーズを展開しています。

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この記事を書いた人

株式会社ストラテジット