NetSuiteの開発言語 ~開発環境とスクリプト言語~

NetSuiteは、会計・販売・在庫・CRMなど多様な業務を一元管理できるクラウドERPで、業務プロセスの自動化や拡張に対応できる高いカスタマイズ性を備えていることが特長です。
この柔軟性を支えているのが、NetSuite特有の開発環境とスクリプト言語です。
本コラムでは、NetSuiteのスクリプト言語・技術スタックについて解説します。
目次
NetSuiteのスクリプト言語『SuiteScript』
スクリプト言語とは
スクリプト言語は、一般的な開発言語よりも、比較的簡単に書けてすぐに実行できるプログラミング言語のことを指します。Script(台本)のように順番に命令を解釈・実行し、”機械語への変換”という意味合いを持つコンパイルを必要としないことが特徴で、「JavaScript」「Python」「Ruby」などのスクリプト言語が広く知られています。
スクリプト言語の主なメリットは、コンパイルが不要なためソースコードをすぐに実行できることや、それによって素早く開発・修正ができること、そして文法がシンプルであるため初心者にも親しみやすいことが挙げられます。
SuiteScriptの特徴
NetSuiteの代表的な開発言語は、SuiteScriptです。これはJavaScriptをベースにした独自のAPIセットで、NetSuite上のデータ操作や業務ロジックの自動化、UIのカスタマイズなどが可能です。
SuiteScriptのバージョン
SuiteScriptは、次の3つのバージョンに分かれています。
SuiteScript 1.0:古いAPIベースであり、手軽に使えるが非推奨。
SuiteScript 2.0:モジュールベース構文、保守性や再利用性が向上。
SuiteScript 2.1:ECMAScript 2019(ES10)準拠で、さらにモダンなJavaScript記述が可能。
特にSuiteScript 2.0は、"モジュールベース構文"と呼ばれる JavaScriptに慣れたエンジニアでも比較的スムーズに扱える構成になっており、ロジックを整理して記述できるため保守性にも優れています。
SuiteScriptの主な用途
SuiteScriptの主な用途は、次のようなものが挙げられます。
- レコード操作(作成、更新、削除)
- イベント駆動型のカスタム処理(保存前処理、送信後処理など)
- バッチ処理やスケジューラー
- RESTletやWebhookなどのインテグレーションAPI作成
NetSuiteの技術スタック『SuiteTalk』
NetSuiteとの外部連携を行うために提供されているAPI群です。SOAP APIとREST APIがあり、言語を問わず連携アプリケーションの構築が可能です。
SuiteTalk SOAP:従来からあるXMLベースのAPI。多機能だが冗長。
SuiteTalk REST :軽量でモダンなRESTful構造。
まとめ
SuiteScriptを活用すれば、NetSuiteは単なる業務管理ツールにとどまらず、自社固有のビジネスプロセスに寄り添った「仕組み」へと進化します。ルーチン業務を自動化し、データ処理を効率化することで、現場はより創造的な業務に集中できるようになります。
JavaScriptの経験がある方であれば、SuiteScriptは学習コストも比較的低く習得できるため、もし今後NetSuite導入やカスタマイズを検討される機会があれば、ぜひ一度その可能性に触れてみてください。
おわりに
私たちの導入支援サービスでは、専門のコンサルタントが企業様のERP導入をサポート、計画から運用、フォローアップ、オンプレミスや他システムとの連携に至るまで、一貫したサービスを提供いたします。詳しくは、お気軽にお問い合わせください。
▼ストラテジットのERP導入支援サービス
創業以来20社以上のERP導入実績
ERP/基幹システム導入支援サービス

私たちは、オラクルNetSuiteの公式アライアンスパートナーです