「ERPとは?」MA、SFA、CRM、MRPとの違いは?Fit&Gap分析とは?|気になる用語を解説!

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の一環として、ERPの活用が改めて注目されています。

本コラムでは、ERPの概要と混同しやすい基幹システムやMA、SFA、CRM、MRPとの違い、導入時に耳にするFit&Gap分析についてわかりやすく説明します。

ERPとは

ERPとは?

ERPとは、Enterprise Resources Planningの略で、直訳で「企業資源計画」です。

企業の持っている資源=「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一元管理し、有効活用する経営手法のことです。

ERPのイメージ

そして、それらを実現するシステムのことをERPと呼びます。


◆ERP(パッケージ)=企業活動に必要な機能、販売・生産・購買・人事・会計などのすべてが含まれたシステムのこと。

現在、世の中にはさまざまなSaaSが普及しています。

SaaSってなに?という方は、まずこちらをご覧ください。

例えば、社員の出退勤を管理する勤怠管理システムや、人事情報や給与を管理する給与人事管理システムなど、皆さんも一度は触れたことがあるのではないでしょうか?

SaaSでは単一の機能を満たすサービスが多く、対してERPでは企業活動に必要な情報をまとめて管理することで複数の機能を満たすことができ、結果として全体の効率化が見込めます。

MA、SFA、CRM、MRP、BPRとは?

ERPを調べる際に見かけることが多い用語についても、整理してみましょう。

MA(Marketing Automation)

顧客へのアクションを自動化するソフトウェアです。

窓口となるSEO対策やメール配信など、見込み客(リード)を獲得し商談に繋げるために使用します。

SFA(Sales Force Automation)

直訳で「営業の自動化」。営業支援ツールとも呼びます。

企業の営業活動で生じる情報全般をデータ化して蓄積し、分析することができるソフトウェアです。

商談や案件の進捗・実現性を管理し、受注に繋げるために使用します。

CRM(Customer Relationship Management)

直訳で「顧客関係管理」。

顧客満足度の向上を目的とし、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法のことを指します。

ERPと同様、上記の手法を実現させるためのシステムそのものも指します。

顧客情報を管理し、個々の顧客に合わせた施策を行い、リピート化・アップセルに繋げていきます。

CRM・SFA・MAの守備範囲

MRP(Material Resource Planning)

直訳で「資材所要量計画」。

製造業などで、部品・材料などを「必要なものを」「必要なときに」「必要な数だけ」購入し、製造するための生産管理方法のひとつです。

また、本来のMRPの役割に加えて、製品の品質・工程管理から販売・出荷管理などの業務を実現するための「生産管理システム」があります。

生産管理システムの管理領域を発展させたものがERPともいえます。

ERPは、大抵 顧客管理や生産・販売管理を含みますので、MA・SFA・CRM・MRPの範囲もカバーできます。

BPR(Business Process Re-engineering)

職務・業務フロー・管理機構・情報システムなどの業務プロセスを抜本的に見直し、再度構築するマネジメント手法です。

ERPと似た概念のように思えますが、ERPが経営資源の最適化を目的とするのに対し、BPRは業務改革を目的としています。

BPRを定着させることができれば、全体の業務効率化にも繋がります。

BPRを進めるためのツールの一つとしてERPがある、とも考えられます。

基幹システムとの違い

そのほかERPと混同しやすいワードとして、基幹システムが挙げられます。
両者の違いを見ていきましょう。

基幹システムとは、企業の主要業務を支えるシステム全般を指します。

分解すればERPと同じ機能ではありますが、ERPでは各機能間が繋がっているのに比べて
基幹システムは業務ごとにシステムが独立しているため、別途 個別の業務システム同士を連携する仕組みが必要になります。

基幹システムのイメージ

この点においても、リアルタイムで一元管理できるERPがいかに効率的にデータを管理できるかお分かりいただけるかと思います。

Fit&Gap分析とは?

ERPパッケージが想定している業務モデルと現状業務(業務要件)との比較分析を行うことを指します。

新システムには現状と同様の機能が備わっている(Fit)or機能に不足・相違がある(Gap)といった分析を業務ごとに行っていきます。

Fit&Gap分析

どのERPパッケージを採用するかを検討するタイミングに実施することで、パッケージごとの比較が合理的に行えます。

Fit部分はパッケージの使用方法を理解した上で業務の設計もしくは再構築を進めていきます。

Gap部分は、

  • 追加で開発を行う場合、その開発規模と費用
  • 運用で回避する場合、関連部署への影響が許容範囲かどうか

などを慎重に社内で議論する必要があります。

ERP導入プロジェクトが長期間にわたる場合、課題管理が煩雑になるおそれがありますのでスプレッドシートやタスク管理アプリで管理していくとよいでしょう。

Fit&Gap分析の結果、場合によっては現行の業務フローそのものを見直すこともあります。

あまりにGapが多いと実際に作業するユーザーへの教育・周知に時間を要するため、余裕をもって導入を進めることが必要です。

ERPが提供するもの

ERPが提供するのはツールの利便性だけではありません。

繰り返しになりますが、企業活動に必要な情報をまとめて管理することで複数の機能を満たすことができ、結果として全体の効率化につながります。

スピード感が要求される現代では、企業のもつ情報を正確かつスピーディーに把握することが経営の安定につながるといっても過言ではありません。

今や会社の規模に関わらず、迅速な経営判断が求められています。

そのためERPは必要なツールの一つといえそうです。

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この記事を書いた人

株式会社ストラテジット