Excelとスプレッドシートを連携して業務効率化！使い分けと自動化のコツ

この記事は、ExcelとGoogleスプレッドシートを併用して、業務の自動化や効率化を目指す方に向けて書かれています。

特に、データ管理やチームでの共有をスムーズに行いたいビジネスパーソンや学生にとって、両者の特性を理解し、賢く使い分けることは必須のスキルです。

本記事では、Excelとスプレッドシートの決定的な違いから、連携によるメリット、そして外部連携ツール「JOINT」を活用した高度な自動化テクニックまでを詳しく解説します。これらを取り入れることで、手作業の「転記」や「集計」から脱却し、より生産的な時間を生み出すヒントを提供します。

ExcelとGoogleスプレッドシートの基本理解

ExcelとGoogleスプレッドシートは、どちらも表計算ソフトとして広く利用されていますが、得意とする領域が異なります。

• Excel（Microsoft）: オフラインでの動作が安定しており、膨大なデータの処理や高度な分析機能、複雑なマクロ処理に長けています。
• Googleスプレッドシート（Google）: クラウドベースのため、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、リアルタイムでの共同編集が可能です。

この2つの違いを理解することが、業務効率化の第一歩です。

ExcelとGoogleスプレッドシートの違い一覧

それぞれの主な特徴を比較しました。

GoogleスプレッドシートとExcel連携のメリット

なぜ2つを使い分ける必要があるのでしょうか？ それは、互いの弱点を補い合えるからです。連携させることで、以下のような大きなメリットが生まれます。

1. リアルタイムでのデータ共有:
   Googleスプレッドシートを使えば、チーム全員が常に「最新の数字」を見ることができます。「どれが最新ファイルかわからない」という問題が解消します。
   
2. 高度な集計はExcelで:
   共有されたデータをExcelに落とし込み、ピボットテーブルや複雑な関数で分析するといった使い分けが可能です。
   
3. 自動バックアップ:
   Googleスプレッドシートは変更履歴が自動保存されるため、保存し忘れによるデータ消失を防げます。（保存先をOneDriveにすれば、Excelでもクラウド上で自動保存が可能）
   
4. スムーズな移行:
   互換性が高いため、Excelで作ったひな形をGoogleスプレッドシートで共有する、といった運用が容易です。

互換性を活かす：ファイル形式の変換手順

業務の現場では、ExcelとGoogleスプレッドシートを行き来することがよくあります。スムーズなデータ移行のための変換手順を押さえておきましょう。

GoogleスプレッドシートをExcel形式（.xlsx）にする

データを取引先に送付する場合など、Excel形式が必要な時に使います。

1. Googleスプレッドシートを開く。
2. メニューの**「ファイル」**をクリック。
3. 「ダウンロード」 > **「Microsoft Excel (.xlsx)」**を選択。

これで、Googleスプレッドシートの内容をExcelファイルとして保存できます。逆に、手持ちのExcelファイルをGoogleドライブにドラッグ＆ドロップすれば、すぐにGoogleスプレッドシートとして開いて編集することも可能です。

データ管理と共有の新常識

リモートワークやチーム作業において、従来の「メールにファイルを添付して送る」方法は古くなりつつあります。ここでは、Googleドライブを活用した現代的なデータ管理について解説します。

Googleドライブでのスマートな共有方法

ファイルを添付する代わりに、「リンク（URL）」を共有するのが新常識です。

1. 共有したいGoogleスプレッドシートを開き、画面右上の**「共有」**ボタンをクリック。
2. 共有したい相手のメールアドレスを入力、または「リンクをコピー」を選択。
3. 権限設定（閲覧のみ／コメント可／編集者）を確認して送信。

複数人での共同編集が最強の時短術

共同編集機能を活用すれば、会議中にその場で全員が議事録に書き込んだり、別々の場所にいるメンバーが同時に在庫表を更新したりできます。

• コミュニケーションコストの削減: 修正のたびにファイルを送り直す必要がありません。
• 変更履歴の活用: 「誰がいつどこを編集したか」が履歴に残るため、誤ってデータを消してしまっても過去の状態にすぐに戻せます。

Excelでの自動化機能の活用

ここからは、さらに業務を効率化するための「自動化」について解説します。

関数を用いた自動化の第一歩

プログラミングをしなくても、関数を組み合わせるだけで多くの作業が自動化できます。

• VLOOKUP / XLOOKUP関数: 別シートのデータベースから、条件に合う情報を自動で引っ張ってくることができます。例えば、「請求書作成時に顧客マスタから住所や電話番号を自動取得する」といった自動化ができ、手動でのコピペ作業を大幅に削減できます。
  
• IF関数: 「もし在庫が10以下なら"発注"と表示する」といった条件分岐を自動化できます。

マクロ（VBA）とGAS（Google Apps Script）

繰り返し発生するルーチンワークは、プログラムに任せてしまいましょう。

• ExcelのVBA（マクロ）:
  複雑なレポート作成や、フォルダ内のファイルをまとめて処理するなど、デスクトップ作業の自動化に強力な威力を発揮します。
  
• Google Apps Script (GAS):
  Googleスプレッドシート版のマクロのようなものです。「フォームに回答があったら自動でメールを送る」といったWeb連携が得意です。

外部連携ツール「JOINT」でさらに高度な自動化へ

VBAやGASは強力ですが、プログラミング知識が必要です。そこで注目されているのが、**ノーコードでシステム連携を実現するツール「JOINT（ジョイント）」**です。

JOINTとは？

「JOINT」は、異なるSaaS（クラウドサービス）やアプリケーション同士をつなぐ**iPaaS（Integration Platform as a Service）**と呼ばれるツールです。日本国内のビジネス環境に特化しており、直感的な操作でデータの自動連携を設定できます。

JOINTを活用した自動化の例

ExcelやGoogleスプレッドシート単体では難しい「外部アプリとのデータ同期」を自動化できます。

1. ECサイトの注文を自動でシートに集約:
   ECシステム（Next Engineなど）に入った注文データを、JOINT経由で自動的にGoogleスプレッドシートやExcelへ書き出します。手動でのCSVダウンロードやコピペ作業が不要になります。
   
2. SaaSデータの自動バックアップ:
   人事労務ソフト（SmartHRやカオナビなど）や会計ソフトのデータを、定期的にGoogleスプレッドシートへ自動保存し、分析用の元データとして蓄積できます。
   
3. ノーコードで完結:
   プログラミングの知識がなくても、画面上の設定だけで「Aのシステムにデータが入ったら、Bのシートに追加する」というフローを作成可能です。

このように、「JOINT」をハブ（中継地点）にすることで、ExcelやGoogleスプレッドシートを単なる表計算ソフトから「業務システムの司令塔」へと進化させることができます。

問題解決のためのソリューション

自動化や連携を進める中で、壁にぶつかることもあります。よくあるエラーとその対処法を知っておきましょう。

よくあるエラーと対処法

• 数式エラー（#VALUE! や #REF!）:
  ExcelとGoogleスプレッドシート間で変換した際、一部の関数が対応していない場合があります。変換後は必ず数式が正しく動いているかチェックしましょう。
  
• データの不一致:
  「日付」や「数値」の書式設定が崩れることがあります。見た目は数字でも「文字列」扱いになっているケースが多いので、表示形式を確認・統一しましょう。
  
• 外部連携のエラー:
  JOINTなどのツールを使う際は、APIの接続権限（アクセストークンなど）が期限切れになっていないか定期的に確認が必要です。

まとめ：自動化実現のための計画

ExcelとGoogleスプレッドシートは、どちらか一方を選ぶものではなく、**「適材適所で連携させる」**のが正解です。さらに「JOINT」のような外部連携ツールを組み合わせることで、業務効率は飛躍的に向上します。

• 分析・集計 → Excel
• 共有・入力 → Googleスプレッドシート
• システム間のデータ転記 → JOINT

まずは、現在の業務の中で「手作業で転記している時間」がないか見直してみてください。それらをこの記事で紹介した連携テクニックで置き換えるだけで、あなたの業務スタイルは劇的に変わるはずです。

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