NetSuiteの外部連携手段 ~ファイル連携 vs API連携~

NetSuiteを中核としたシステム連携を構築する際、外部システムとのデータ連携方法として代表的なのが「ファイル連携」と「API連携」の2つです。それぞれに特徴があり、目的やシステム環境によって適切な選択が求められます。
本記事では、そんな2つの外部連携手段を ”NetSuiteとの連携" に特化しながら、比較してご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
NetSuiteにおける「ファイル連携」
ファイル連携の特長
CSVやXMLなどの形式で出力されたデータファイルを定期的に取り込み・出力する手法です。
NetSuiteではSuiteScriptを活用してファイルの入出力が可能で、FTPやSFTP経由での連携が一般的です。また、NetSuite内のフォルダにファイルを配置するのは自動化し、NetSuiteへの取り込みは手動で実行するなど運用方法は細かく定義する必要があります。
ファイル連携のメリット・デメリット
ファイル連携のメリット
- システム構造が比較的シンプルなため、開発や保守の負担が少ない
- 大量のデータを一括で処理するバッチ処理にも適しており、高速かつ安定した運用が可能
- 既存システムがファイル出力(CSVやTSVなど)に対応していれば、データ連携の導入がスムーズに行える
ファイル連携のデメリット
- データ処理がリアルタイムではないため、最新情報の即時反映が難しい
- 実行タイミングの管理や調整が必要となり、スケジュール管理の手間が発生する
- エラーの発見や原因特定が遅れやすく、トラブル発生時の対応やリカバリ作業が煩雑になりやすい
NetSuiteにおける「API連携」
API連携の特長
NetSuiteが提供するREST APIやSOAP APIを活用し、リアルタイムまたはリクエストベースでデータを取得・送信する方式です。
プログラムで直接通信するため、動的で即時性の高い連携が可能となります。
API連携のメリット・デメリット
API連携のメリット
- リアルタイムでのデータ同期が可能で、常に最新の情報を保てる
- 在庫更新や受注登録など、即時性が求められる業務に適している
- エラー処理や例外対応を柔軟に設計できるため、業務に応じた堅牢な仕組みが構築できる
- APIに認証機構(例:OAuth、APIキーなど)を組み込むことで、外部との連携でも高いセキュリティを維持できる
API連携のデメリット
- APIを活用するには、ある程度のプログラミング知識や開発スキルが求められるため、導入のハードルが高くなる場合がある
- 連携先APIの仕様が変更された際には、それに応じたシステム側の修正や再テストなど、保守対応が必要になる
- API連携の維持には、継続的な監視やドキュメントの確認など、運用面での工数が発生しやすい
「ファイル連携」vs「API連携」

結論としては、どちらが優れているか?ではなく、業務要件やシステム環境に応じて使い分けることが重要です。
定期的な一括データ処理にはファイル連携、即時反映が必要な業務や双方向のやり取りにはAPI連携が有効です。現代のクラウド環境においては、API連携の比重が高まりつつありますが、ファイル連携も根強く活用されています。
まとめ
本記事では、NetSuiteにおける「ファイル連携」と「API連携」の特長と、メリット・デメリットを紹介しました。NetSuiteはどちらの連携手段もサポートしており、柔軟な連携設計が可能です。システム全体の最適化を目指すうえで、適材適所の連携方式の選択が成功の鍵となります。
ストラテジットでは勿論どちらも対応していますが、汎用的な連携アプリを構築する『JOINT iPaaS』を基盤とした外部連携もご提案が可能です。
JOINT iPaaSでは、NetSuiteと効率的に連携することができる『NetSuiteコネタクタ』もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
おわりに
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