APIサービスの具体例をご紹介!APIサービスを利用するメリットや利用手順も解説します
※この記事は #Backlogアドベントカレンダー2022 by #JBUG の12月7日分の記事として執筆しています。
APIサービスの具体例や利用するメリットをご存知でしょうか。各企業では様々なシステムのクラウド化・デジタル化が推奨されています。
APIサービスはアプリケーションやソフトウェアを連携する役目を担っていますが、活用方法を具体的に理解している人は多くありません。
この記事ではAPIサービスの具体例や利用するメリット、利用手順について具体的に解説しています。
しっかりと理解することで、自社アプリケーションやソフトウェアにおけるAPIサービスの適切な活用方法をマスターできるでしょう。
目次
APIの概要
APIとは「Application Programing Interface」の略語であり、「アプリケーションとプログラムをつなぐ」と訳されます。
具体的にはアプリケーションやソフトウェアを連携させるのがAPIの役目であり、API単体で活用することはできません。
例えば、自社Webサイトを公開した際、ユーザーはWeb上のソフトウェアやアプリケーションを利用することができます。
このとき、APIで自社内のソフトウェアやアプリケーションと連携させることで、様々な機能や情報を共有させることが可能です。
アプリケーションやソフトウェアの連携によって様々な使い方が考えられることから、APIサービスは今後さらに注目されるでしょう。
APIサービスを利用するメリット
APIの役割はアプリケーションやソフトウェアを連携させることですが、具体的にはどういったメリットが考えられるでしょうか。
ここではAPIサービスを利用するメリットを具体的に解説します。APIサービスの利用を検討するにあたって正しく理解しておきましょう。
生産性の向上
APIサービスを活用すれば、これまでと比較すると格段に生産性を向上させることが可能になります。
例えば、売上データを販売管理システムに反映させる場合、従来の手法だと「人による作業」が加わり大きな労力が必要です。
APIサービスを活用すれば売上データが販売管理システムに自動連携されるので、生産性が大きく向上します。
さらに「人による作業」にはヒューマンエラーがつきものですが、自動連携であればその心配はありません。
したがって、ヒューマンエラーを回避するための確認作業や修正作業にかかる労力も大きく軽減されます。
コストの削減
APIを活用すれば既存のアプリケーション・ソフトウェアを利用できるため、開発コストを大幅に削減することができます。
さらに、開発にかかる時間も短縮されるため、エンジニアなどの人件費も削減することも可能です。
また、前項で解説した自動連携による生産性の向上・ヒューマンエラーの激減も人件費の削減につながります。
削減できたコストは他のアプリケーションやソフトウェアの開発に費やすことも可能となり、開発面における好循環も期待できるでしょう。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上が期待できる点もAPIサービスの大きなメリットです。また、セキュリティレベルの向上も期待できます。
例えば、会員サービスを提供する際、他社ユーザーの情報から自社のサービスにログインできる機能を持たせることも可能です。
ユーザーからすれば改めて自身の情報を入力する必要がなくなり、大きく利便性が向上することから集客アップにもつながります。
また、APIを活用すればセキュリティレベルの高いシステムとの連携が可能であり、信頼度の向上にもつながるでしょう。
APIサービスの具体例
APIを活用することで様々なメリットを享受することが可能ですが、具体的にはどういった活用方法があるのでしょうか。
ここでは、APIサービスの具体例について紹介します。具体例を参考にして、自社に応用できる活用方法を検討してみましょう。
SNS
TwitterをはじめLINEやInstagram、FacebookなどのSNSでAPIサービスは幅広く活用されています。
具体的にSNSでAPIサービスを活用する目的は以下のとおりです。
- アカウントへのログイン認証
- 連動した商品の紹介
- SNSへの集客
例えばInstagramの場合だと、APIサービスを活用して以下の条件で投稿を絞り込み集客に活用しています。
- 特定のハッシュタグを用いた投稿のみWebサイトに表示する
- 一定範囲内の投稿のみWebサイトに表示する
このように、SNSはAPIサービスを様々な方法で活用しており、大きな成果を上げています。
ECサイト
ECサイトではAPIを介して大手ECサイトと連携することで、集客に大きな効果を得ています。
自社ECサイトを立ち上げた場合、集客が大きな課題ですが大手ECサイトと連携すれば多くのユーザーにアピールすることが可能です。
さらに、大手ECサイトの基幹システムやアプリとAPI連携を行い、商品在庫・顧客の購入情報を一元管理する活用例も増えています。
自社ECサイトにおけるアプリケーションなど販促ツールから、実店舗や大手モールへ顧客情報を連携する活用方法も可能です。
ポータルサイト
ポータルサイトには統合型・検索型・地域型・専門型などの種類がありますが、いずれも情報の入り口として活用されています。
より多くの情報にアクセスするにはAPIサービスが不可欠であり、多くのポータルサイトで活用されているのが現状です。
大手ポータルサイトでは情報に加えて様々なサービスを展開しており、コーポレートサイトでは難しいユーザーへの接触に成功しています。
マイナンバーカード
マイナンバーカードではマイナポータルが提供するAPIによって以下のサービスを展開しています。
- 行政機関
- 企業等が保有
- 発行する情報の取得
- 行政機関等が受け付けている各種手続きのオンライン申請・様式の取得
- マイナポータルとWebサービスの連携
なお、行政機関・企業等が保有・発行する情報とは、以下のとおりです。
- 自己情報/医療保険情報
- 民間送達サービス保有情報
- 行政機関のお知らせ情報
マイナンバーカードは今後さらに普及・浸透することが予想されており、いかに活用するかが大きな課題です。
その点、マイナポータルはAPIを活用することで民間システムとの連携を可能とし、ユーザーの利便性が向上できるよう設計されています。
Backlog
株式会社ヌーラボが提供するプロジェクト管理ツール「Backlog」では画面から行う操作の大半をAPIで行うことができます。
筆者はBacklogユーザーのため、プロジェクト作成時などにはAPIを利用し、以下の手順でタスクの一括登録を行っています。
- 対象プロジェクトの課題テンプレートをエクスポートする
- Googleスプレッドシート上に課題を入力
- 一括処理を実行
一度作成したスプレッドシートは設定が変わらなければ使いまわせるため、定期的に同じ課題を作成する必要がある場合でも効率的に運用することができます。
APIリファレンスもWeb上で公開されているので、Backlogユーザーの方は一度目を通してみると良いかと思います。
社内の業務関連システム
社内の業務関連システムの多くは使用する部署で独立しており、似通ったデータベースが乱立していることも少なくありません。
APIサービスを利用すると、既存のシステムを活かしつつ各部署が持つデータベースを統合することが可能です。
データベースを統合することで、社内での情報共有が簡素化され業務の効率化が期待できるでしょう。
また、各部署が活用するシステムは独立したままですから、障害発生時にも影響を受けにくいといったメリットもあります。
API導入の成功事例
API導入の代表的な成功事例として有名なのが、ビジネスチャットで知られる「Chatwork」です。
ChatworkではAPIを活用することで、以下のサービスを実現しています。
- カレンダーに予定を追加→APIでChatworkに連携しタスクに追加
- メールを受信→APIでChatworkに連携しメッセージに追加
- サーバーエラーを探知→APIでChatworkに連携し関係者に通知
- タスク情報を取得→APIでChatworkに連携しタスクに追加
また、ChatworkはAPIでWeb会議システム「Zoom」とAPI連携しておりChatworkからZoomへの参加が可能です。
ChatworkはAPIサービスを活用することで、様々な場所に居ながら会議に参加できる、テレワーク時代にマッチした仕組みを構築しています。
APIサービスの必要性
既にAPIサービスは多くの企業で導入されていますが、今後、さらに導入企業が増えることが予想されています。
APIサービスの必要性が高まっている一番の理由は「アプリケーション開発工程の短縮化」が実現できる点です。
様々な分野でIT化が進む中で、質の高いアプリケーションを短期間で開発することは多くの企業における課題だといえます。
その点、APIサービスを活用すればゼロからアプリケーションを開発する手間を省くことが可能となり、その必要性はさらに高まるでしょう。
APIを効果的に利用するためにも必要なこと
APIサービスは多くの企業にとって有効なツールです。しかし、単に導入しただけでは期待する効果は望めません。
APIサービスを効果的に利用するにはいくつかのポイントを理解し、必要な対策を講じておくことが不可欠です。 ここではAPIサービスを効果的に利用するために必要なことを解説します。
APIの知識を深める
APIを効果的に活用するにはAPIに対する知識を深めることが大切です。APIの仕組みはもちろん、その種類も理解しておきましょう。
とりわけAPIの種類は、以下のとおり用途に大きく影響します。事前にどの種類のAPIが必要なのかを絞りこんでおくことが大切です。
- 内部 API:組織内のコミュニケーションに特化
- コンポジットAPI:複数のアプリケーションを組み合わせることが可能
- パートナーAPI:外部ユーザー間のコミュニケーションの促進を図る
- Open API:開発者と外部ユーザーのコミュニケーションが図れる
APIサービスは日々進化しており、さらに利便性の向上が期待されています。知識を深めつつ、目的にマッチしたAPIを選びましょう。
実例を分析する
APIサービスは机上の理論だけで使いこなすことはできません。特にAPIに対する知識・経験が浅い場合、マニュアルだけでは不十分です。
APIに関する一定の知識が蓄積できたら、数多くの実例を分析しましょう。特に競合他社の実例は大いに参考となります。
参考となる実例を分析して、自社システムやWebサイトに取り入れてみなければ、APIの真のメリット・デメリットは実感できません。
机上で考えて時間をかけるよりも、参考となる実例を「真似る」方が遥かに早くAPIをマスターできることを心得ておきましょう。
第3者からアドバイスをもらう
APIは上手く使いこなすことによって作業の効率化・コスト削減が期待できるツールです。
しかし、マニュアルだけでは使いこなせません。 APIに対する知識が必要であることは当然として、豊かな経験が求められます。
そこで、頼りになるのが第3者からのアドバイスです。 実際にAPIを活用して実績を残している第3者のアドバイスは、実態に即したものでありマニュアルには記載されていません。
第3者からのアドバイスを受けることで、マニュアルには記載されていない「API活用のコツ」をマスターできるでしょう。
APIサービスの利用手順
APIサービスを利用するにはどういった手順があるのでしょうか。適切に利用するには、利用手順を事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、APIサービスの利用手順について紹介します。正しい利用手順を理解して、スムーズに活用しましょう。
APIを提供している企業に登録
APIサービスを利用するには、APIを提供する企業に登録することから始めましょう。
登録する情報は、利用する企業の基本情報に加え「連携するアプリケーション名」「アプリケーションのURL」となります。
さらに、コールバックするURLや希望する料金プランを登録すれば準備完了です。
これらの情報を登録することで、提供側はどのアプリケーションからのアクセスを連携すれば良いかが判断できます。
なお、APIサービスに登録する際には、機能や料金プランなどをしっかりと吟味し、自社のニーズにマッチしたものを選びましょう。
APIキー・APIシークレットを取得
APIサービスを利用する際、非常に大切なものが「APIキー・APIシークレット」です。
APIキー・APIシークレットは、ユーザーIDとパスワードの組み合わせに類似した役割を担っています。
APIサービスを利用する上で、セキュリティ対策は非常に重要であり、APIキー・APIシークレットで管理されているのが一般的です。
したがって、APIキー・APIシークレットを取得した際には厳重に管理し、丁寧に取り扱うことが鉄則だといえます。
実装
取得したAPIキー・APIシークレットをアプリケーションに設定することで、外部からは利用できなくなります。
これで準備完了です。 APIサービスへの実装が完了したら、リファレンスを確認するとともに様々な機能をチェックしましょう。
実際にコードを書いてAPIサービスを活用すれば、様々な機能の利便性やメリットを改めて感じることができます。
API連携前に準備しておくべきこと
APIサービスは単に導入・連携すれば良いものではありません。効果的に利用するにはしっかりとした準備が必要です。
具体的には以下の点について準備・検討しておくと良いでしょう。
- 利用する対象を想定する
- APIサービスを活用する目的を明らかにする
- コストを含めた効果を検証する
APIサービスは利用する人が「便利だ」「使いやすい」と実感することが大切であり、そのためには対象を想定することが重要です。
さらに、APIサービスを活用する目的を明らかにし、その効果を具体的に検証しておくことも必要不可欠だといえるでしょう。
目的が不明瞭だと的外れなものになる可能性があり、費用対効果が得られなければ導入する意味がありません。
また、API連携にあたっては上記の事項を整理し、社内でのコンセンサスを得ておくことが大切になります。
API連携で悩んでいるならストラテジットへ
APIサービスによって既存のアプリケーションやソフトウェアを連携させると、多くのメリットを生み出すことが可能となります。
しかし、APIサービスを活用するには深い知識に加え豊富な経験が必要です。そのため経験が浅いと上手くいかないことも少なくありません。
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API連携を効果的に活用しよう
APIは既存のアプリケーションやソフトウェアを自動連携するプラットフォームとして注目を集めており、多くの企業で導入されています。
API連携を活用し、アプリケーションやソフトウェア間で様々なデータを共有することが可能です。
その結果、業務の効率化やコスト削減などのメリットが享受できますが、APIに対する知識や経験が不足していると上手くいきません。
APIを効果的に活用するには知識や経験を重ねることは当然として、第3者からのアドバイスやレクチャーも有効です。
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SaaSは連携開発をすることで効果を発揮する
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しかし、それぞれのSaaS単体では、その効果を最大限に発揮することはできません。 SaaSは連携開発することで、よりその効果を発揮するのです。
SaaSに関する多くの悩み
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