ERP導入のメリット・デメリットとは?|ERP導入の専門家が分かりやすく解説!

ERP導入には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。

それぞれ詳しく解説していきます。

ERP導入のメリット・デメリット

そもそもERPとは?という方は、まずはこちらからご覧ください。

メリット

情報が一元管理できる

ERPには人事情報や給与、取引先マスタ、売上・仕入情報、会計もすべて含むことができるため、管理が容易になります。

ERPのイメージ

管理領域で異なるシステムを使用していると、どの情報が正しいのか、即時性があるのはどのシステムのデータなのか瞬時には判断できません。

例えば、ある得意先の情報について、
会計システムAに登録されている売上高と、顧客管理システムBに登録されている売上高で乖離があった場合は
どちらが現在のものなのか調査するだけでも手間がかかってしまいます。

昨今、1社で数多くのシステムを使用していることも少なくありません。

(SaaS先進国のアメリカでは2023年のSaaS利用数は130個にも上ると言われています。
情報引用元:BetterCloud, Inc. https://www.bettercloud.com/resources/stateofsaasops23/

ERPで一元管理していると、業務によってシステムを切り替える作業が不要になりますので、本来注力すべき業務に取り組むことができるメリットがあります。

情報を一か所にあつめて一元管理し、有効に活用する。

これこそがERPの大きな目的でもあります。

即時性がある

データ分析も重要ですが、ERPの利点の一つは収支や会社のお金の動きを"リアルタイム"に追える点にあります。

ERPを検討し始める企業において、多くの場合、「社長(経営層)がリアルタイムな経営数学が見たいと言ってて・・」という理由がきっかけになっているように見受けられます。

複数のSaaSを全てリアルタイムで連携するのは現実的ではありませんが、ERPであれば実現できるため、そのようなメリットがあると言えます。

 

内部統制の強化

内部統制の整備は上場審査の対象項目となっています。

あらかじめ内部統制の整備を進めておくと、いざ上場を目指すフェーズが来たとしてもスムーズに進めることができます。

★内部統制とは、

基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関 わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得 るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、 統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及び IT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。

金融庁「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」より
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20191213_naibutousei/1.pdf

デメリット

製品の選定が大変

現在、多くの会社がERPパッケージをリリースしています。

  • 自社に合うERPパッケージはどれなのか?
  • 同業種の導入例はあるか?
  • 導入費用は予算に見合っているか?

など、ERPの知見が必要となります。

必ずしも社内に知見のある人がいると限らないので、時には外部の専門家に相談する場を設けた方がスムーズに進められます。

コストがかかる

ERP導入にはもちろんコストがかかります。

買い切りのパッケージ型であれば、ERP導入時にかかるパッケージ費用に加えて法改正があった場合はアップデートの費用がかかります。

また、主流になりつつあるSaaS型のERPであれば、使用している限り毎月費用がかかります。

パッケージ型の買い切り(オンプレ)の場合、クラウドサーバ上で構築しない限り、物理的なサーバを立てる必要があります。
そのため、基本的には5年間でハードウェアの入れ替えとバージョンアップを行わなければなりません。ハードウェアの寿命は、基本的に5年サイクルで、MAXでも7年とされています。

費用的なコストだけでなく、時間的なコストもかかります。
通常、ERP導入には6〜12か月、会社規模によっては2年かかることもあります。そのため、その間、メンバーが拘束されるため、その負荷も考慮する必要があります。

 

導入する規模にもよりますが、例えば、人事労務管理など、一つの業務を満たすSaaSよりも費用は大きくなります。

定着まで時間がかかる

形だけERPを導入するだけでは既存のシステムから乗り換えただけに過ぎません。

ERPは部門にまたがる仕組みになっているため、部門によってはやりたいこととのギャップがあったり、別のシステムを使いたいと思っても、引きずられてしまうことがあります。

会社の方針には逆らえないものの、部門単位で見ると、ERPが適しているかどうかは疑問が残るところもあります。

だからこそ、ERP導入が拡大する傍らで、SaaSを使った部門最適化なシステム選定をしたい企業が出始めているのです。

そこでSaaSかつAPIが豊富なERPを導入することで、柔軟性が格段に上がり、経営層の思いや現場の思い、それぞれを酌むことができるのです。

複数SaaS利用の課題

複数のSaaSを使用していると、それぞれのアプリケーション間でデータが分散し、管理が複雑になる可能性があります。

また、複数のアプリケーションを組み合わせて使用する場合には、MDMの準備が必要といった課題が生じることもあります。

MDM(Master Data Management)とは?

MDMとは、企業内のマスターデータを一元的に統合管理するための手法やシステムを指します。

マスターデータとは、企業が保有する商品や顧客、取引先などの基礎データであり、企業内の様々なシステムで共有されます。

しかし、複数のシステムで同じデータを管理している場合、データの重複や不整合が生じ、情報の信頼性が低下することがあります。

また、新しいシステムを導入する際にも、マスターデータの統合が必要になります。

MDMを構築することで、データの重複や不整合を防ぎ、情報の正確性を高めます。

 

以上がERP導入のメリット・デメリットになります。

ERP・SaaS導入でお困りの方へ

SaaS導入にお困りの方へ

ERP、SaaSの効果を最大化するためには、既存の業務プロセスの見直しや、最適な業務のあり方の再構築が必要です。

しかし、「課題をどのように見直すべきか」「何が解決すべき課題か」を明確にすること自体、困難に感じる企業も少なくありません。

そのような企業課題を解決するために、弊社はSaaSのメリットを最大限活用した導入支援を行っています。

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この記事を書いた人

株式会社ストラテジット